はじめに
こんにちは。フードケアの在川です。
ゼリーを作る場合、ゼラチンや寒天などの「ゼリーの素」を使用するかと思います。
ゼリーと聞くと最初にイメージするのは「デザート」ですが、
医療介護現場では、「お食事(飲み込みやすさに配慮した嚥下調整食)」として提供されることがあります。
「お食事」となると、提供したい温度帯・かたさ・形などは多岐にわたるため、
“出来上がりが思うようにならない…”というお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで本日はフードケアの「ゼリーの素」6製品について、特長やおすすめの使い方をお伝えします!
ゼリーの素とは?
「ゼリーの素」は、液状のものをゼリー状に固めるものをいいます。
代表的なものとしてゼラチンや寒天がありますが、今では用途に合わせて多様なゼリーの素が販売されています。
同じゼリー状に固めるものですが、使い方や特性が異なる場合があります。
ゼリーの素に共通する使い方
基本的な使い方は同じです。
①混ぜる→②加熱する→③固める です。
※加熱の工程が必要ないゼリーの素もあります。
※①②の工程が入れ替わる場合もあります。
ゼリーの素の特性を知るためのポイントは「温度」
ゼリーの素の特性を知るうえで押さえておきたい温度は、3つあります。
「溶解温度」「凝固温度」「融解温度」です。
この3つの温度はゼリーの素によって異なります。
代表的なゼラチンと寒天で比較してみましょう。
ゼラチンは、溶解温度が40~60℃ですので高温で加熱しなくてもよいですが、凝固温度が10℃以下ですので冷蔵庫で冷やし固めなければなりません。
また、冷やし固めたゼリーは、20℃前後で溶け始めてしまうため、長時間室温に置いておくことができません。
一方、寒天は、溶解温度が80℃以上ですのでしっかり加熱する必要がありますが、凝固温度は40℃以下ですので室温でも固まり、固まったゼリーは長時間室温に置いておいても溶け出しません。
このように、作りたいゼリーにどんな特性が必要なのかを考慮することも、ゼリーの素の選択には必要になります。
フードケアのゼリーの素の特長とおすすめの使い方
フードケアにはゼリーの素が6製品あります。
それぞれの違いについてご紹介いたします。
それぞれの製品ページに使い方動画もアップしていますので、あわせてご参考ください。
スベラカーゼ・スベラカーゼLite
ミキサー粥やでんぷん食品特有のベタツキを解消します
でんぷん分解酵素が入ったゼリーの素です。
唾液による離水の影響を最小限に抑えることもできます。
お粥・麺・いも類などでんぷんを多く含む食材を固めたい時におすすめです。
もちろんでんぷんを多く含まない食材にも使用できます!
ホットでもゼリー
温かいゼリー食が提供できます
一度固まったゼリーは、60℃でも溶け出しません。
温かいまま提供したいお茶ゼリーや味噌汁ゼリー、主菜・副菜への使用におすすめです。
固まりにくい食材は?
でんぷんを多く含む食材は固まりにくいです。
流動食は種類によって固まりにくいことがあります。
ミキサーパウダーMJ
ミキサーにかけるだけ!ムース状・ゼリー状に仕上がります
冷たい〜常温の状態で混ぜるとムース状、温かい状態で混ぜるとゼリー状になります。
加熱したくない生野菜・果物への使用におすすめです。
ほかにも、とろみ調整食品ではべたつきが気になる牛乳ムースの調理にもおすすめです!
固まりにくい食材は?
でんぷんを多く含む食材は固まりにくいです。
流動食は種類によって固まりにくいことがあります。
アクアジュレパウダー
なめらかで透明感のあるゼリーに仕上がります
20℃以下の室温でも固まります。
ゼラチンよりもべたつきが少なく、寒天よりも崩れにくいソフトでなめらかな食感です。
スポーツドリンクなどの飲料やデザートへの使用におすすめです。
固まりにくい食材は?
ヨーグルトなどのたんぱく質を多く含む酸性飲料は固まりにくく適しません。
流動食は種類によって固まりにくいことがあります。
ゼラチンパウダー
口溶けの良いゼリーに仕上がります
水にふやかす手間がなく、お湯に入れてかき混ぜるだけで溶けます。
ゼリーの素で固まりにくい流動食(栄養補給飲料)も固めることができます!
もちろん、一般的なゼラチンと同様、デザートや飲料にも使用できます。
固まりにくい食材は?
パイナップルやパパイヤなどの南方系の果実はゼラチンを分解する酵素を含むため、ゼリーが固まりにくくなることがあります。
果実をあらかじめ70〜80℃に加熱して酵素を失活させるか、缶詰をご使用ください。
それぞれの特長をまとめた早見表は以下の通りです。
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ゼリーの素 よくある質問
ゼリーの素に関してよくある質問と回答をご紹介いたします。
Q. とろみ調整食品とは何が違いますか?
A. とろみ調整食品は液状のものにとろみをつけるものです。
とろみ調整食品をたくさん添加してもベタつきが増すだけでゼリー状にはなりません。
とろみ調整食品については、以下のお役立ち情報でもご紹介しております。
Q. ゼリーが固まりません。(固まりにくい・固まりにムラがある)
A. ゼリーが固まらない場合、以下の3つの原因が考えられます。
①添加量の不足 ②撹拌不足 ③加熱不足
こちらについても、過去にお役立ち情報にて詳しく紹介しておりますのでご参考ください。
まとめ
「ゼリーの素」とひとくくりにいっても、たくさんの種類があり特性は様々です。
製品ページやパッケージに記載してある使い方や特長を確認し、作りたいゼリーにあわせたものをお選びください。
本日は、溶解温度・凝固温度・融解温度の特性をお伝えしましたが、ゼリーの素を選択する際には「食感」という要素もあるかと思います。
ゼリーの食感はベースとなる食材や飲料にも左右されますが、使用するゼリーの素によっても違いが出る場合があります。
フードケアでは製品のサンプル依頼を承っておりますので、是非比較検討にお役立てください。
関連資料
※以下より無料でダウンロードできます
嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは
~ゲル化剤の正しい使い方~
監修:管理栄養士 江頭文江先生(地域栄養ケアPEACH厚木 代表)
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作成:2025.1.30 在川(狩野)