お食事を提供する際、お食事を刻んだだけの形態では、
- 「野菜の繊維が歯に引っかかる」
- 「見た目が悪く食欲が出ない」
なんてお悩みはありませんか?
今回はそれらの悩みを改善すべく、国保野上厚生総合病院さまが開発したレシピ
“咀嚼困難食”を実例でご紹介させていただきます。
『咀嚼困難食』とは
和歌山県にある国保野上厚生総合病院さまが開発されたレシピで、
前回ご紹介させていただきました医療法人甃友会さまの“やわめし”を参考に、
大量調理が可能な『スチームコンベクションオーブン』と
酵素の力で食材をやわらかくする『スベラカーゼミート』を使用した調理方法です。
歯や奥歯がなくても、舌と顎や歯茎でつぶして食べられるかたさを目安に、
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の学会分類2013(食事)における
「コード4」に該当するように考慮されてます。
名称 | 国保野上厚生総合 (こくほのかみこうせいそうごうびょういん) |
所在地 | 和歌山県海草郡紀美野町小畑198 |
たけのこの土佐煮(1人分)
Point
下茹では様子をみながら鍋で煮たほうが上手くできます。根元部分は少し薄めにカットして調理時間が均等になるようにします。
材料
たけのこ | 50g |
だし汁 | 30g |
調味液 | |
・濃口醤油 | 2g |
・薄口醤油 | 3g |
・上白糖 | 3g |
・みりん | 4g |
かつお節 | 1g |
スベラカーゼミート |
①たけのこを適度な大きさにカットする。
②1.5%濃度のスベラカーゼミート溶液で30分程下茹でする。
③溶液を洗い流す。
④下茹でしたたけのこに調味液を入れ、かつお節を振りかける。
⑤ ④をスチコンで加熱する(コンビモード:140℃、加湿90%、60分、予熱あり)。
⑥盛り付けて完成!
浅漬けサラダ(1人分)
Point
キャベツの芯は下処理で取り除かずにそいで厚みをととのえます。葉物野菜は和え物や下ごしらえをするとき、スベラカーゼミートをそのまま混ぜ込んでから蒸します。
材料
キャベツ | 30g |
人参 | 5g |
キュウリ | 15g |
浅漬けの素 | 10g |
スベラカーゼミート |
①野菜をそれぞれ適度な大きさにカットし、ホテルパンに入れる。
②キャベツはキャベツの重量に対して1%濃度のスベラカーゼミートを振りかけて揉み込む。
③ ②と①の人参をスチコンで加熱する(スチームモード:98℃、15分、予熱あり)。※クッキングシートの落し蓋なし
④キュウリは1%濃度のスベラカーゼミート溶液に並べ入れ、クッキングシートで落し蓋をして加熱する(コンビモード:140℃、加湿90%、20分、予熱あり)。
⑤加熱したキャベツとキュウリは、それぞれ流水でスベラカーゼミートを洗い流す(流水で崩れないよう、クッキングシートで緩衝する)。
⑥食材を十分に冷ました後、浅漬けの素をかけて和える。
⑦盛り付けて完成!
やわらか沢庵(1人分)
Point
沢庵の風味をそのままに、とろけるような沢庵ができます。
材料
沢庵 | 10g |
スベラカーゼミート |
①重ねた穴あきホテルパンにカットした沢庵を入れ、1%濃度のスベラカーゼミート溶液を沢庵が浸かるくらいまで入れる。※沢庵が重ならないよう注意する。
②クッキングシートで落し蓋をし、ホテルパンの蓋をしてから加熱する(コンビモード:140℃、加湿90%、30分、予熱あり)。
③煮汁をきり、流水で軽くすすぐ。
⑤盛り付けて完成!
最後に
今回のスチコンを使ったやわめしレシピ(野菜編)は、いかがでしたでしょうか?
もっと「やわらかく」して「形あるもの」を美味しく食べたいといった
ご要望はたくさんあると思います。
環境によっては調理方法の統一に時間がかかるかもしれませんが、
見た目のおいしさと、食べやすさを両立した食事が提供できるように、
今回の記事がお役に立てれば幸いです。
(編集 久保埜)