こんにちは!
介護食シェフの在川です。
今回は嚥下調整食をムラなく作る3つのポイントの1つ「計量」についてお伝えします。
「計量」について理解し、調理に落とし込むことで、嚥下調整食の物性が安定します。
嚥下調整食の作り方のポイント「温度」「分散」と併せて覚えておきましょう!
嚥下調整食の基本ポイント:計量とは
嚥下調整食で「ゼリー食」を作る際には、「ゼリー食の素(ゲル化剤)」を使用します。
このゼリー食の素は、調味料のように目分量で使用すると、固まらなかったり・かたすぎたりしてしまいます。
参考として、スベラカーゼの添加量が少ないお粥ゼリー、多すぎるお粥ゼリーを写真で比較してみます。
引用画像元:嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは~ゲル化剤の正しい使い方~
スベラカーゼでお粥ゼリーを作る場合には1〜2%が適した添加量です。
「固まらない」場合は失敗したと分かりやすいですが、「ゼリーがかたすぎる」場合にもご注意ください。
舌でつぶすことのできないかたさのゼリーは、かえって危険な食べ物になってしまいます。
計量に必要なものは?
では、実際にゼリー食の素を計量する際には何を使えば良いでしょうか?
①はかり(スケール)
正確な計量には、はかりの使用がおすすめです。
ゼリー食の素の使用は食材に対して1〜2%前後であることが多く、1回の使用量が少ないです。
そのため、できれば0.1g単位まで測れる電子スケールが好ましいです。
②計量スプーン
毎回、はかりでの計量が面倒!難しい!という場合には、計量スプーンの使用をおすすめします。
ただし、基本的には「すりきり」で使用するようにしましょう。
「山盛り」や「さじ1/2」などで使用すると、調理する方によって誤差が生じてしまうリスクが高くなります。
※フードケアでは、弊社ゼリー食の素をご使用のお客様に計量スプーンの無料提供を実施しております。
(さじの種類:2.5cc/5cc/7.5cc/10cc/15cc)
サンプル依頼フォームよりお問合せください。
③目安表
毎回、使用量を計算するのは面倒だと思います。そこで事前に「目安表」を作成することをおすすめします!
メニュー/食数/食材の分量/(必要に応じて加水量)/ゼリー食の素の分量を一覧にしておけば、調理する方による仕上がりのバラつきを少なくすることができます。
この時!ただ目安表を作成するのではなく、調理スタッフの皆さまで相談・勉強会を事前に実施しておくと、より効果的に目安表を使用できると思います。
フードケアでは、とろみ調整食品やゼリー食の素の施設・病院様向けオリジナル目安表作りを実施しております。
お問合せフォームよりご相談ください。
計量する上での豆知識
①「%」の計算
ゼリー食の素の添加量は「%」で表記されていることがほとんどです。
%の計算ができるようにしておきましょう。
例:400gのお粥に1.5%のスベラカーゼを使用する場合
400×1.5÷100=6g
(400×0.015も可)
②スベラカーゼの計量スプーンごとの重量
ゼリー食の素のさじ比重を理解しておけば、計量時に作業効率がアップします!
引用画像元:嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは~ゲル化剤の正しい使い方~
まとめ
以上、嚥下調整食作りにおける「計量」のポイントでした。
「計量」を目分量で嚥下調整食を作ると『誤嚥』や『窒息』の原因にもなりかねません。
正しい知識を持って嚥下調整食を作ることで、調理する人・提供する人・食べる人など、「食」に携わる人全ての人に笑顔をもたらすのではないでしょうか😊
少しでも皆様の明日からのお役に立てると嬉しいです。
本ブログは弊社発行の小冊子「嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは~ゲル化剤の正しい使い方~(監修:管理栄養士 江頭文江先生(地域栄養ケアPEACH厚木 代表))」を引用し、作成しております。
小冊子は弊社HPよりダウンロード可能です。
作成:2022.12.9 在川・狩野
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【参考資料】
嚥下調整食づくりにおけるゲル化剤のいろは
~ゲル化剤の正しい使い方~
監修:管理栄養士 江頭文江先生(地域栄養ケアPEACH厚木 代表)